Freelance Growthコラム
個人サイト・ポートフォリオ

コンサルのポートフォリオに社名を出せないとき、何を載せるか。見る人が確かめる3点と、抽象化の3段階

公開 2026.10.26更新 2026.10.26文:Freelance Growth編集部

フリーランスのコンサルタントのポートフォリオサイトは、実績の一覧というより、「自社と似た状況を扱ったことがあるか」を、社名を出さずに読み取ってもらう場所です。守秘義務があるので、支援先の名前も売上も出せません。それでも、状況、担当範囲、進め方が書かれていれば、見る人が問い合わせの前に判断する材料になります。

@SOHO編集部の解説(2026年3月公開、10月1日更新)は、営業・人事コンサルのポートフォリオを見る人が確かめる点を3つ挙げています。自社と似た状況を扱ったことがあるか、担当した部分がどこまでか、一緒に働くときの進め方はどうか、の3つです。この記事は、その3点を軸に、守秘義務のなかで何を載せるかを整理します。営業・人事の支援を例にしていますが、考え方はほかの領域のコンサルタントにも当てはめられます。

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1. コンサルのポートフォリオは、経歴書と何が違うのか

経歴書は「どこで何年何をしたか」を並べるもので、ポートフォリオは「この種類の課題を、この進め方で扱える」と示すものです。役割が違うので、混ぜずに分けて置きます。

項目経歴書ポートフォリオ
中心になる内容所属、役職、期間、資格案件ごとの状況、課題、打ち手、担当範囲、結果
見る人が知れること経験の年数と幅自社に近い状況を扱ったか、どう進めるか
守秘義務との関係社名を書けないことが多い抽象化して書くことが前提

(上の表は筆者の整理です。)@SOHOの解説は、経歴書とポートフォリオを混ぜてしまうことを、作成時によくあるつまずきの一つに挙げています。同じ解説は、「豊富な経験」のような抽象的な形容詞に頼って事実で示さないこと、専門用語を言い換えずに並べること、更新日を書かないことも、つまずきとして挙げています。

2. 見る人が確かめている3点は何か

確かめていると考えられるのは、似た状況の経験、担当した範囲、進め方の3点です。@SOHOの解説が冒頭で挙げる3点と同じですが、順に、サイトのどこに何を書くかまで落とします。

1点目の似た状況の経験は、規模、組織の段階、課題の種類です。たとえば「従業員30人前後で、営業を初めて仕組みにする段階」のような書き方になります。同じ業種でなくても、規模と段階が近ければ、見る人は自社に引き寄せて読めます。

2点目の担当範囲は、チームで進めた案件ほど書き分けが要ります。自分が決めたこと、自分が手を動かしたこと、ほかの人が担当したことを分けて書く、というのは筆者の例です。解説は、自分と他者の担当を分けて書くよう勧めています。

3点目の進め方は、定例の頻度、資料の出し方、連絡手段などです。成果物の出来からは、一緒に働いたときの負担が読み取れません。進め方が書いてあると、見る人は自分の社内での動き方を想像できます。

このうち、ポートフォリオサイトで先に置くのは、1点目だと筆者は考えます。自社と似た状況かどうかで、続きを読むかが決まるからです。

3. 案件ごとに、何をどの順で書くのか

案件ごとの書く項目は、毎回同じ順にそろえます。@SOHOの解説は、次の6項目を挙げています。

順項目書く内容
1支援先の状態業種、規模、組織の段階、開始時点の状況
2依頼された課題依頼者の言葉のまま
3本当の課題調べて定義し直した課題
4打ち手と担当範囲自分と他者の担当を分けて書く
5結果数字、または成果物と運用の定着状況
6期間と関与の度合い何か月、週に何日か、など

(上の表は@SOHOの項目をもとにした整理です。)2と3を分けて書く点に、コンサルらしさが出ます。依頼された課題と、調べたうえで定義し直した課題が違った案件は、考える力が見える材料になります。

載せる案件の選び方についても、解説に基準があります。今後取りたい仕事に近い案件を、取りたい順に並べる。深掘りされても説明できる案件だけを載せる。長期の支援を優先する。途中で終わった案件は、正直さや対応力を示せる場合に限り、1件まで載せてよい、というものです。

数字については、支援先の売上や人件費などの経営数値は書かない、とされています。商談化率の改善倍率や、採用にかかった日数の短縮のような、変化率やプロセスの数字を使います。数字を出せないときは、作った成果物の種類と点数など、量の情報で仕事の量を示します。結果の欄は、数字のほかに、成果物と運用の定着状況でも書けるとされています。

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4. 守秘義務で社名を出せないとき、どこまで抽象化するのか

抽象化には3つの段階があり、できるだけ最初の段階にとどめるのが基本です。@SOHOの解説は、次の3段階を示しています。

第一段階は、社名だけを伏せて、業種と規模は書く形です。見る人にとって情報が最も多く残るので、できるだけこの段階を目指します。第二段階は、業種もぼかして、規模と課題を書きます。第三段階は、課題と打ち手だけを書く形です。

どの段階にするかは、契約書の守秘義務条項を読んで、書ける範囲を確認して決めます。判断に迷うときは元の発注元に確認する、というのが解説の示す手順です。確認するときは、掲載する文面をそのまま添えて、具体的に許可を求めます。「載せてもいいですか」と聞くより、「この文面で載せます」と見せるほうが、相手は判断しやすいからです。

ポートフォリオの冒頭には、守秘義務のため社名を伏せている旨を、一文入れます。@SOHOの解説では、社名を伏せていること自体は減点になりにくく、冒頭にその旨があると丁寧な印象になる、とされています。数値を伏せている場合も、同じ一文で触れておくとよいと筆者は考えます。

なお、友人や知人の案件を無料や低単価で引き受けるときは、ポートフォリオへの掲載許可を条件にするよう、別の@SOHOの解説(2026年2月公開、8月更新)が勧めています。同じ解説は、成果物の著作権は契約や合意によって変わるので、掲載前に権利関係を確認するよう書いています。

5. 実績がまだ少ないときは、何を載せるのか

実績が少ないうちは、社内での経験を外部支援の言葉に翻訳して載せるのが一つの方法です。会社員時代の仕事でも、担当範囲と成果を具体的に書けば、似た状況の経験として読めます。ただし、会社の資料やデータを載せてよいかは、社内の決まりと契約で確かめてください。

もう一つは、架空の企業を想定した課題設定と提案を、1本だけ添える方法です。@SOHOの解説は、実績と混ぜず、必ず「想定事例」と明記するよう求めています。

支援先からの言葉をもらう場合は、終了直後に依頼し、こちらで案を用意して渡す方法が挙げられています。掲載できる範囲(社名、担当者名、業種・役職のみ、など)を同時に確認し、許可はメールで記録を残します。返事がもらえなかったときは、自分が行った進め方の事実を、自分の言葉で書きます。

実績の見せ方が決まらないときの考え方は、別の記事「フリーランスが実績を載せられないとき」でも扱っています。

6. 営業や紹介で仕事が回っていても、サイトが要るのか

紹介された相手は、連絡の前にその人の名前を検索するかもしれません。そのとき、似た状況の経験と進め方が一か所にまとまっていれば、紹介のあとの判断の材料になります。

ポートフォリオサイトは、PDFと役割が違います。@SOHOの解説では、PDF(10枚前後)が汎用性が高く、Webで見せる場合は抽象度を上げ、詳細版は別にPDFで渡す形が示されています。サイトに載せるのは入口としての要約で、深い説明が必要な相手にはPDFを渡す、という分け方です。

ホームページが必要かどうかの判断基準は、別の記事「フリーランスにホームページは必要か」にまとめています。ほかの職種については、デザイナー、ライター、エンジニアのポートフォリオサイトの記事で、同じ4点の考え方を扱っています。

7. 案件が終わるたびの更新を続けるには、サイトをどう持てばよいのか

案件が終わるたびにポートフォリオを足す作業は、忙しい時期ほど後回しになります。@SOHOの解説は、更新は案件が終わるごとに行うのが理想としていて、案件が終わった直後に、相手が最初に使った言葉や、途中で方針を変えた理由を簡単にメモしておくと書きやすいと述べています。

更新の手間を自分の作業から外す方法として、個人サイトの制作・保守を月額で任せる持ち方があります。Freelance Growthは、プランにより、個人サイトの制作・保守に加えて、SNS運用やGoogle検索広告の運用まで任せられます(広告の出稿費は月額とは別にかかります)。STARTERはサイトのみです。公式サイトの表記では、すべて税別で、初期サイト制作費は全プラン0円、最低契約期間は6ヶ月です。月額9,800円のSTARTERは個人サイト1ページの制作と基本保守で、実績・ポートフォリオ、提供サービス、料金、問い合わせフォーム、スマホ対応を含みます。ページを増やす場合は1ページあたり月額2,000円(税別)のオプションです。XまたはInstagramの運用は上位プランに含まれます。案件の獲得や問い合わせ件数は保証していません(2026年10月26日時点の公式サイトの表記)。

申し込みフォームの職種には「コンサルタント」の選択肢があり、活動状況は副業、フリーランス、これから独立・副業を始める予定から選べます。ヒアリングでは得意分野、実績、増やしたい案件をうかがい、実績が少ない場合も、経験をもとに見せ方を一緒に整理します。掲載する実績の素材は、ご自身で用意していただきます(公式サイトの記載)。守秘義務のある実績をどこまで載せるかは、契約書をもとにご自身で判断し、必要に応じて発注元に確認してください。

よくある質問

実績が守秘義務ですべて載せられない場合は、サイトを作る意味がありますか。

載せられる範囲を決めて作る意味はあります。第三段階の「課題と打ち手だけ」の書き方でも、進め方と考え方は伝わりやすくなります。何をどこまで載せられないのかを冒頭の一文で書いておくと、見る人は前提を理解して読めます。

数字を出せない案件は、載せないほうがよいですか。

載せるかどうかは、深掘りされたときに説明できるかで決めます。数字がなくても、成果物の種類と点数、運用の定着状況で仕事の量は示せます。

経営数値を書いてはいけないのはなぜですか。

解説では、支援先の売上や人件費などの経営数値は書かないとされています。変化率やプロセスの数字なら、金額を出さずに成果の大きさを伝えられます。

会社員の副業でも、ポートフォリオを載せてよいですか。

本業の案件の内容は、会社の情報にあたる場合があるため、載せる前に就業規則と契約を確かめてください。副業の案件も、依頼元との契約で掲載の可否が決まります。Freelance Growthは、副業として活動中の方も相談できると案内しています。

まとめ

コンサルのポートフォリオサイトは、似た状況の経験、担当範囲、進め方の3点が読めるように作ります。案件ごとに6項目をそろえ、社名を出せないときは、社名だけ伏せる段階からできるだけ動かさずに抽象化します。経営数値は書かず、変化率やプロセスの数字、成果物の量で示します。更新を続けたいときは、個人サイトの制作・保守を月額で任せる方法もあります(7章)。

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